「シャーロック・ホームズの生還」2010/04/11 10:40

 世界一有名な名探偵が、還ってきた!
 今、映画でもやっていますねえ。19世紀末のロンドンなのになんかアクションたっぷりなのと、探偵のビジュアルに違和感を感じて、観に行くのは二の足踏むのですが。
 ホームズは子供の頃すごく好きだったのです。嫁に行くならホームズみたいな男性が良いと真面目に考えていたくらいです。
しかし今、読み返してみても、一体この変人のどこら辺がそんなに魅力的なのか、その理由がさっぱり分かりません。分からないのですが、正体不明のトキメキを覚えてしまうのものまた、事実なんですよねえ。
 思うに、語り手であるワトスン博士が、とことんホームズに心酔していて、しかも大変な褒め上手なところが大きいのではないのでしょうか。ワトスンのホームズ大好きパワーが、伝わってくるのではないでしょうか。
 今回読んだのは、光文社文庫、日暮雅通の新訳版。昔とおんなじ挿絵が懐かしい(だから、映画版が余計に違和感ある)。
 何度も読み返しているので、記憶に残っている話も多かったですが、楽しく読めました。
「空き家の冒険」:モリアーティとの戦いで死んだと思われたホームズが、ロンドンに帰って来た!自らを狙う殺し屋を罠にかける。
「ノーウッドの建築業者」:名探偵に、小細工のし過ぎは厳禁。
「踊る人形」:有名な暗号解読もの。
「美しき自転車乗り」:ストーカーもの。
「プライアリ・スクール」:誘拐事件。上流階級の大物のスキャンダル。
「ブラック・ピーター」:極悪な船乗りが殺され、無実の青年に疑いがかかってしまう。
「恐喝王ミルヴァートン」:ホームズでも正攻法では勝てない相手。しかし、女性の恨みを買って無事なわけがありません。ホームズの特技の一つに<金庫破り>が付け加えられる。
「六つのナポレオン像」:超有名な話。人間味あるホームズの姿。
「三人の学生」:研究のために学生街に居を移したホームズ達に持ち込まれた、カンニング事件。なんか、さわやかな締めくくり。
「金縁の鼻眼鏡」:超有名な話、手がかりの鼻眼鏡一つで鮮やかに犯人像を言い当てるホームズ。ロシア革命の気配がチラホラ。しかし、「十五世紀の僧院の記録ほどわくわくさせられるものはないよ」って、ホンマですか?ホームズ多趣味だ。
「スリー・クォーターの失踪」:ホームズ流尾行術。でもこれって反則くさい。
「アビィ屋敷」:ホームズ物は、被害者より犯人の方がいい人なケースが結構あります。これも、私設裁判でケリをつけちゃう。
「第二のしみ」:第一次大戦の気配がちらほら。超重要な事件を、そんな解決方法で、よく依頼人が納得してくれたものです。まあ、紳士的手段ですけど。

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